先日、祖母が亡くなった。
なかなか自分の気持ちがまとまらず、書くことを断念しかけてしまったけれど、やっぱり忘れぬように書き留めておこうと思う。
あの日から沢山の時間が流れたように感てしまうけれど、まだ数日なんだね。覚悟はしていたものの、亡くなったって連絡が来た時はやっぱりショックを受けた。だけど、3日前に会った時、祖母ら呼吸も少し苦しそうで痛いって言っていたから、あの苦しみから解放され、祖母が楽になれてよかったんだとも感じる。
祖父の仕事で一時、祖母達は地方に住んでいた。子どもの時の夏休み、毎年のように泊まりに行った。2人は私を海、山、公園、お城、美術館、色々な場所に連れて行ってくれた。あの時、過ごした時間は今でも私の宝物かもしれない。
祖母は甘い物が大好き。
買い物も好き。
裁縫に料理が得意。
縁日の輪投げも得意。
バイタリティ溢れる人だった。
結構マイペースな人でもあった。
そんな思い出もある一方、ここ数年の祖母の思い出の方がインパクトが強くなってしまった。認知症になってからの祖母は気性が荒くなり、人に対しての悪口や恨み節も多くなっていった。泥棒に入られたと思い込み、警察沙汰になった時も数回あった。
ところが1年くらい前からかな。祖母は変わっていった。ちょうど体調を崩し、その時は命の危機もあった。その後、体調は奇跡的に回復した。祖母は人に対しての感謝の言葉が増え、見た目も中身も丸く穏やかになっていった。今、思えば残された時間を大切に生きていたんだと思う。だけど、色んなことを忘れていくことが増えていった。きっと時代が「令和」になっていることだって分からない。しかし、亡くなる前日まで私や妹の名前を忘れることなく呼んでくれたことが嬉しかった。
祖母は祖父が亡くなってから、持病もあって、自宅から遠く離れた老人ホームに住んでいた。そこで暖かい介護を受け、食事も管理してもらい、病弱でやつれていた入所時の祖母とは見た目も中身も良い方に変わっていったのは確か。だけど、最後まで「自分の家に帰りたい」という気持ちは変わらなかった。だから葬儀だけでも祖母の地元に戻って行おうと母が言った。
祖父が亡くなりちょうど丸3年。祖父と同じ月に祖母が亡くなった。祖父は自分の介護で苦労をかけた祖母に少しでもゆっくりと過ごす時間をもって欲しかったんじゃないかな。しかし、今回、寂しさに耐えれなくなってきた祖母を祖父が迎えに来たように感じる。亡くなる数日前、祖母は天井に手を伸ばしていたみたい。
人生の大半を祖父と過ごし、様々の趣味を持ちながらも、常に祖父のために動きつつけていた祖母。今ごろは2人が再会出来て沢山の話をしているかもしれない。おばあちゃん、ありがとうね。もし父を見かけたら、よろしく伝えてね。